リフォームの現場では、「エアコンが故障したから新しいのに取り替えてほしい」というご相談をいただくことがあります。しかし、ただ同じようなものに取り替えればいいわけではありません。せっかく取り替えるなら、性能・コスト・使いやすさなど、しっかり見極めて選びたいところです。
今回は、実際にあった事例をもとに、エアコンの選び方のポイントをお伝えします。

まず確認するのは「既存エアコンの性能」
最初に行うべきは、現在使っていたエアコンのスペック確認です。ネットやカタログ、室内機の銘板などから、次のような情報を調べます。
- 冷房能力(kW)
- 暖房能力(kW)
- 消費電力(kW)
- 畳数目安(例:6~8畳用)
この情報をもとに、同等以上の暖房能力を持つ機種を選定します。
選定基準は「暖房能力」
多くの方が「冷房」のイメージでエアコンを選ばれますが、実際にエアコンの能力がかかるのは暖房の方です。特に冬の富山では暖房の負荷が大きく、エアコンの暖房能力は非常に重要です。なので、冷房能力よりも暖房性能を基準に機種選定することがポイントになります。
メーカーは「三菱」と「ダイキン」に絞り込み
メーカー全て調べるのは時間が掛かるため、エアコンを長年取り扱っている電気業者さんや空調設備業者さん職人仲間の声をもとに、信頼できるメーカーを選定しました。
- 三菱:故障が少ない、メンテの対応が良い
- ダイキン:換気・加湿などの多機能モデルが多い、エアコンシェアNo1だったはず。
この2社は特に評判がよく、修理対応や長期使用の実績もあります。
同じシリーズでも性能が違う?カタログをよく見よう
実際にカタログスペックを比較してみると、驚くことがあります。
- 上位機種と中位機種で、暖房能力がほぼ同じ
- 違うのは、AI機能やお掃除機能などの付加価値部分
本当に欲しいのは「暖房性能」であって、機能の豪華さではないということ。例えば今回の選定では、三菱のJXVシリーズを選びました。暖房能力は上位機種に遜色なくしっかり確保されています、価格も上位機種より手ごろでした。
下位機種は除外。なぜ?
下位機種になると、暖房能力が大きく落ちてきます。
- カタログ上の「目安畳数」だけで判断すると危険
- 実際の暖房出力(kW)を確認することが大切
富山のように寒冷地に近い地域では、出力の弱い機種では暖まりきらないことも多いです。
ダイキンを選ぶときの注意点
ダイキン製エアコンを選ばれる場合、ひとつだけ注意があります。
- 換気機能や加湿機能がついている機種は、
- 換気ホース・加湿ホース用の追加穴あけが必要になることがあります。
既存住宅の場合、壁や外壁への穴あけが困難なこともあるため、事前に確認しておく必要があります。
最終的な選定結果
今回のリフォームでは、以下の理由から
- 暖房能力が既存機種に近い
- コストパフォーマンスが良い
- 壁穴の追加工事が不要
という点を踏まえ、三菱電機「JXV5625S:18畳用」を選定しました。
既存の日立エアコンの暖房能力は9.2Kw、最終選考の「JXV5625S:18畳用」の暖房能力は8.4Kw、0.8Kw能力が不足しています不足しているのになぜ選んだのか。
JXV7125S:23畳用の暖房能力9.0Kwと既存の日立エアコンの暖房能力と近似商品がありましたが定価で80,000円高く、定格消費電力が600W多い、つまり商品も高くなるし電気代も高くなるためこの機種は除外しました。
次にスバ暖シリーズ、暖房能力はすごいですが上記と同じで商品も高くなるし電気代も高くなるためこの機種は除外しました。
そして事前にお客さんに聞いたところ9.2Kwの暖房でも真冬になると足りなくてファンヒーターを使用しているとのこと、ファンヒーターがあるなら0.8Kwくらいは賄えると判断して選考した次第です。
最後にアドバイス
「寒いからとりあえず付け替える」ではなく、暖房能力に注目して機種を選ぶことが、快適さと電気代を左右します、合わせて商品代金も違ってきます。また、施工業者さんや空調業者さんの経験から選ぶことで、失敗のリスクを避けられます。何を選べばよいか迷ったときは、お気軽にご相談ください。専門の目線で最適なご提案をさせていただきます。