「どうして暖房しているのに寒いの?」
「どうして電気代はこんなに高いの?」

古い住宅は断熱・気密性が低すぎて
エネルギーがダダ洩れだからです。

古い住宅が寒い原因

原因1

断熱材が入って
いない(無断熱)

住宅の断熱性能には今まで国が最低基準を設けておらず、昭和以前に建てられた住宅には「無断熱」も珍しくありません。

原因2

断熱材が
劣化している

断熱材の施工が適切でなかったり、湿気を吸った断熱材が壁の中でダレてしまい、本来の効果を発揮できていない状態に。

原因3

床や壁の中の
気密性が低い

壁や床の中、窓の周りなどの気密処理が施されておらず、空気が通り抜けてしまうと、特に足元が冷えてしまいます。

原因4

窓の断熱性が
極端に低い

アルミサッシ+シングルガラスの窓は熱が逃げ放題。屋外へ漏れてしまう熱の半分以上が窓からのロスです。

家まるごと断熱・気密リフォームで、裸足でも過ごせる我が家へ

断熱リフォーム3つのポイント

窓の断熱補強

家の外へ熱が漏れる割合が一番高いのが窓。窓の改修は費用帯効果が最も高い断熱リフォームです。

気流止め

既存住宅の多くは壁の中で空気が流れている状態。気流止めを施すことで光熱費削減効果が期待できます。

外皮の断熱補強

外皮とは、壁・屋根/天井・床/基礎といった外部に接している部分のこと。断熱材を適材適所に施します。

01 窓の断熱補強

熱がもっとも漏れてしまうのが窓!

窓は壁に比べて厚みがなく、特に既存住宅では窓ガラス1枚やアルミサッシなど、熱を通しやすい素材でできています。既存住宅では家全体的に屋内外の熱の出入りが多いのですが、中でも窓からの割合が高く、冬では58%、夏では73%となっています。

このことから、家が寒い・暑いと感じるなら、まずは窓の断熱リフォームをすることが一番効果的です。

窓の断熱リフォームの例

既存の窓に内窓をプラスする

「二重窓」

メリット

  • 一日で施工できる
  • コストを最小限に抑えることができる

デメリット

  • 窓の開閉が二度手間になる
  • 既存窓と内窓の間に結露が生じる可能性がある
二重窓

断熱性の高い窓に交換する
「樹脂窓+複層ガラス」

メリット

  • 断熱性能が高く結露のリスクも抑えられる
  • 新しいデザインで意匠が美しくなる

デメリット

  • 内窓を足すリフォームに比べ、工事が大掛かりになる

窓の種類や大きさを変える

「外装リフォーム」

メリット

  • 断熱性/気密性を確保しやすい
  • 新しいデザインで意匠が美しくなる

デメリット

  • 工事が大掛かりになりコストがかかる
  • 断熱性アップのため窓を小さくすると部屋が暗くなる

02 気流止め

壁の中の空気の流れを止める

既存住宅の多くで見られる壁の中の空洞。今ほど気密性が重要視されていなかった時代に建てられた木造住宅では、壁の中に空洞ができてしまうのは「やむを得ず」とされてきました。

しかしこの壁の中の気流は住まいの冷暖房負荷を著しく上げてしまいます。温かい空気は上昇するため、冬に室内の空気がコンセントや壁の隙間から壁に入ってしまうとそのまま天井裏に抜けてしまいます。

この壁の中の空気の流れを止めるのが「気流止め」です。壁の上下に断熱材をギュっと詰めて気流を止めます。これにより壁全体が中空層となり、壁そのものの断熱効果がアップします。

気流止めの施工は比較的低コストで簡易的に行うことができるため、窓と同様に費用帯効果の高い断熱リフォームです。

03 外皮の断熱補強

主な断熱改修の組合せ例

用語解説

充填断熱

(内断熱)
充填断熱

壁の内側=柱と柱の間に詰めるように施工する断熱方式。屋内側から壁を剥がして施工します。

外張り断熱

(外断熱)
外断熱

柱の外側=建物の外周部をすっぽり囲むように施工する断熱方式。屋外側から施工します。

床断熱

床の下面に施工する断熱方式。ボード系の断熱材や、床下に潜り込んで吹き付ける現場発泡タイプの断熱材があります。

基礎断熱

基礎の立ち上がり部分に施工する断熱方式。床下エアコンなど、床下も室内空間として利用する場合にはこの方式を採用します。

パターン1

効果が高いのは、外からすっぽり建物を覆う

外張り・屋根・基礎断熱

外壁外張り断熱
間仕切り
屋根/天井屋根断熱
床/基礎基礎断熱

効果が高いのは、外からすっぽり建物を覆う

外張り・屋根・基礎断熱

メリット

  • 高い断熱性・気密性を確保できる
  • 外装も合わせて綺麗にリフォームできる

デメリット

  • 屋根を葺き替えるため工事の規模が大きくなる
  • コスト高

パターン3

住みながら工事ができる

外張り・天井・床断熱

外壁外張り断熱
間仕切り上下気流止め
屋根/天井天井断熱
床/基礎床断熱

住みながら工事ができる

外張り・天井・床断熱

メリット

  • 既存の屋根をそのまま使用できる
  • 床断熱を床下からの施工にすれば暮らしながら工事が可能なことも

デメリット

  • 壁内の気流止め施工のために一部天井や壁を剥がす必要がある
  • 外張り・屋根・基礎断熱に比べ気密性が劣る

パターン2

内装リフォームと一緒にするなら

充填・天井・床断熱

外壁充填断熱
間仕切り上下気流止め
屋根/天井天井断熱
床/基礎床断熱

内装リフォームと一緒にするなら

充填・天井・床断熱

メリット

  • 足場を組まずに工事できるのでコスト削減
  • 室内側の壁を剥がすので内装リフォームと合わせればコスパ◎

デメリット

  • 暮らしながらの工事はほぼ不可能
  • 外張り断熱に比べ、断熱性・気密性を高くしにくい

どのようなリフォームが最適かは、その建物の状況やご予算、同時に行うリフォームの内容などによって違います。ぜひお気軽にご相談ください。

断熱・気密リノベーションで
どれぐらい電気代を抑えられる!?

住宅の断熱性能を数字で見る

住宅の断熱性能は、住宅品確法による「断熱等性能等級」で表されます。無断熱を等級1とし、UA値(ユーエーチ)ごとに最高等級7まで分類されています。UA値は、屋根や壁、床といった建物の外周部分から損失してしまう熱量を、床面積で割った値です。つまり、使用する断熱材や窓などの熱の通しやすさをもとに計算されます。

5等級の断熱性能

エアコンを設置した部屋は快適な温度で、電気代も削減できるレベル

6等級の断熱性能

開放的な間取りでも全館空調で快適な温度を保てるレベル

7等級の断熱性能

全館空調で家じゅうを快適な温度に保っても電気代が抑えられるレベル

断熱性能別の断熱・気密リフォーム費用と年間冷暖房費

断熱・気密リノベーションでどれぐらいの電気代を節約できるかは、どれぐらいの性能まで断熱性を上げるか、によって異なります。そこで、断熱性能別の電気代の目安をご紹介します。

条件として、6地域に建つ121㎡の住宅で家族5人暮らし、電気代は38円/kWhで平均的な家庭電気使用量をもとにシミュレーションを行った結果が下記のとおりです。

■現在の電気料金で計算した場合

断熱等級リフォーム
費用
節約できる
冷暖房費
(年間)
初期投資
回収年数
4等級0~15万円
5等級5.5~33万円27,000 2~6.7年
6等級38.5~71.5万円69,0005.6~8.2年
6等級+88~130万円108,0008.1~10.8年
6等級++159.5~225.5万円124,00012.9~17年
7等級313.5~396万円134,00023.4~28.4年

*冷暖房費は、断熱性能に合わせて最適化し、等級4~5は各部屋にエアコンを設置した局所冷暖房、等級6以上は全館冷暖房を想定し、達成に必要なエアコン台数と運転方式をもとに算出している

電気代が上がったら・・・

昨今の電気代の動向を見ていると、今後電気代は上がることはあっても下がることはなさそうです。そこで、将来的に電気代が上昇した場合のシミュレーションが下記のとおりです。いずれの断熱性能においても、電気代が上昇すれば断熱改修費の回収年数は短くなります。

■電気料金が30%UPした場合

断熱等級リフォーム
費用
節約できる
冷暖房費
(年間)
初期投資
回収年数
4等級0~15万円
5等級5.5~33万円35,100 円1.6~5.1年
6等級38.5~71.5万円89,700 円4.3~6.3年
6等級+88~130万円140,400 円6.3~8.3年
6等級++159.5~225.5万円161,200 円9.9~13.1年
7等級313.5~396万円174,200 円18~21.9年

■電気料金が50%UPした場合

断熱等級リフォーム
費用
節約できる
冷暖房費
(年間)
初期投資
回収年数
4等級0~15万円
5等級5.5~33万円40,500 円1.4~4.4年
6等級38.5~71.5万円103,500 円3.7~5.5年
6等級+88~130万円162,000 円5.4~7.2年
6等級++159.5~225.5万円186,000 円8.6~11.3年
7等級313.5~396万円201,000 円15.6~19年

断熱リフォームの流れ

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